こんな疑問にお答えしたいと思います。
この記事の内容
- 看護師とは(定義に沿って)
- 准看護師とは
- 看護師の仕事の内容
10年以上の看護師歴を持つ現役看護師の筆者は、転職などを通じて様々な職場で看護師として働いてきた経験があります。
看護師の仕事について知りたい方向けに、分かりやすく簡単に説明していきたいと思います。
- 看護師とは
- 准看護師とは
- 看護師の仕事の内容とは
- 看護師の仕事内容① 環境整備
- 看護師の仕事内容② 問診, バイタルサイン(体温/脈拍/血圧など)測定
- 看護師の仕事内容③ 採血, 注射
- 看護師の仕事内容④ 点滴, 輸血の投与
- 看護師の仕事内容⑤ 洗面, 食事, 排泄, 入浴(清拭)などの介助
- 看護師の仕事内容⑥ 患者の移送
- 看護師の仕事内容⑦ 体位変換
- 看護師の仕事内容⑧ 健康管理や療養生活相談, 指導, 心のケア
- 看護師の仕事内容⑨ 手術, 検査の介助
- 看護師の仕事内容⑩ カルテ記載(記録)
- 看護師の仕事内容⑪ 巡回(夜間)
- 看護師の仕事内容⑫ ナースコール対応
- 看護師の仕事内容⑬ ミーティング, 各種カンファレンス
- 看護師の仕事内容⑭ 患者の家族への対応
- 看護師の仕事内容⑮ ベッドメイキング
- まとめ
看護師とは
結論から言ってしまいますが、
簡単にいうと看護師とは、
- 看護師国家資格の免許を取得した人
- 病気やケガをした人、出産後の女性に対して必要な処置や介助を行う技術を持つ人
子供向けに説明するとしたら、
- 国が出す看護師のテストを受けて合格した人
- 病気やケガをした人、赤ちゃんを産んだ後のお母さんを手助けする人
といったところでしょうか。
では、もう少し詳しく説明していきましょう。
看護師とは(法律上の定義に沿って)
「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。
保健師助産師看護師法, 第5条より
はい、法律上の定義は上記です。
「保健師助産師看護師法, 第5条」の定義に基づいて、下記①〜⑤の順番に噛み砕いて解説していきます。
- 「厚生労働大臣の免許を受けて」とは
- 「傷病者」とは
- 「じよく婦」とは
- 「療養上の世話」とは
- 「診療の補助」とは
「厚生労働大臣の免許を受けて」とは
「厚生労働大臣の免許を受けて」とは、看護師は国家資格だということです。
看護師として働くためには、「看護師国家試験」というテストに合格する必要があります。
「看護師国家試験」に合格すると、「看護師免許」を取得することができます。
この「看護師免許」を持つ人だけが、看護師として働くことができるようになります。
「傷病者」とは
「傷病者」とは、疾患と外傷により正常な身体機能や形態が損なわれた者という意味です。
つまり、何か病気になったりケガをして、それまで正常に働いていた体の状態(目に見える働きだけではなく体の内部も含め)ではなくなった人を傷病者(しょうびょうしゃ)といいます。
「じよく婦」とは
「じよく婦」は、「褥婦(じょくふ)」のことです。
褥婦(じょくふ)とは、分娩終了後から母体や生殖器の変化が妊娠前の状態に戻るまでの期間にある女性のことを言います。
※一般的には6〜8週間といわれていますが、個人差や出産状況で期間は異なることがあります。
「療養上の世話」とは
「療養上の世話」とは、患者の症状などの観察、環境整備、食事・排泄・入浴(または清拭)の介助、体位変換や移送、生活指導などです。
看護師の判断で主体的に行うことができます。
「診療の補助」とは
「診療の補助」とは、医師による医療行為の補助と医師の指示のもとで行う医療行為です。
医師による医療行為の補助としては、医師による診察や検査、治療がスムーズに進むようサポートすることです。
医師の指示のもとで行う医療行為としては、採血や注射、点滴、医療機器の管理、処置などです。
「医師の指示に基づく」という条件下のもと、看護師にも許容した業務のことになります。
准看護師とは
看護師には看護師と准看護師の2種類が存在します。
看護師資格が国家資格であるのに対して、准看護師は都道府県知事資格となります。
※看護師のことを正看護師とも呼びます。
准看護師として働くには、「准看護師試験」に合格し都道府県知事発行の准看護師免許を取得することが必要です。
准看護師は、看護師と違って自らの判断では看護を行うことができません。
医師または歯科医師、看護師の指示にしたがって業務を行います。
看護師の仕事の内容とは
看護師の仕事内容は、ざっくり言うと
- 医師による診察や指示に基づいて医療行為や補助をしたり、患者さんが過ごしやすい入院生活を送れるよう日常生活援助を行うことです。
看護師として働くことのできる職場はさまざまあるので、職場によって実務内容は変わってきます。
看護師の職場
病院, クリニック/診療所/医院, 老人保健施設, 介護施設, 社会福祉施設, デイサービス, 保育園, 地域包括支援センター, 訪問看護ステーション, 学校, 企業など
関連記事:【看護師の職場の種類】働く場所はいっぱいある!次の転職先は?
一言で病院といっても、配属される診療科や施設規模によっても看護師の役割はだいぶ変わってきます。
そこで、ここでは代表的な看護師の仕事内容について説明したいと思います。
看護師の仕事内容
- 環境整備
- 問診, バイタルサイン(体温/脈拍/血圧など)測定
- 採血, 注射
- 点滴, 輸血の投与
- 洗面, 食事, 排泄, 入浴(清拭)などの介助
- 患者の移送
- 体位変換
- 健康管理や療養生活相談, 指導, 心のケア
- 手術, 検査の介助
- カルテ記載(記録)
- 巡回(夜間)
- ナースコール対応
- ミーティング, 各種カンファレンス
- 患者の家族への対応
- ベッドメイキング
看護師の仕事の内容、上記①〜⑮について順番に説明していきます。
看護師の仕事内容① 環境整備
病院や診療所などで入院中の患者の中には、思うように体を動かすことができない方もいます。
患者が生活しやすいように、衛生的にベッド周囲の環境整備を行います。
具体的には、ナースコールや患者がよく使用する物を使いやすい位置に配置したり、テーブルなどをアルコール消毒で拭いて清潔に保つなどですね。
看護師の仕事内容② 問診, バイタルサイン(体温/脈拍/血圧など)測定
医療現場ではバイタルサインといわれる、体温, 呼吸状態, 脈拍(心拍), 血圧などの測定、意識状態や尿量の確認などを行い異常の有無を数値から確認しています。
バイタルサイン以外にも、患者の症状確認と症状観察も重要です。
異常がみられれば適切な処置が必要となるので、医師へ報告し指示を受けます。
入院時などには問診(病状や病歴などを患者から聞くこと)も行います。
看護師の仕事内容③ 採血, 注射
入院時や検査・治療・診断・治療経過をみるために医師の指示により採血を実施します。
大きな病院だと、定期採血は外来でや臨床検査技師によって実施されることも多いです。
病態に応じて医師の指示により注射も行います。
看護師の仕事内容④ 点滴, 輸血の投与
医師の指示通りに点滴液を選択・ダブルチェック(他看護師と確認)し、患者に点滴ルートの確保を行い、点滴の滴下数を合わせて投与します。
点滴投与後も、点滴滴下量の確認や点滴刺入部の観察、病状の変化、点滴ルートのトラブルがないかなど点滴が終了するまで定期的なチェックが必要です。
看護師の仕事内容⑤ 洗面, 食事, 排泄, 入浴(清拭)などの介助
患者の日常生活の自立度や医師からの安静度指示範囲に応じて、洗面, 食事, 排泄, 入浴(清拭)などの介助も行います。
患者の病状によって、また施設によって、介護職員や看護助手が実施することも多いです。
看護師の仕事内容⑥ 患者の移送
各種検査室への移動やトイレへの移動時など、患者の状態に合わせて車椅子やストレッチャーでの移送を介助します。
病室や病棟の変更、病院から病院への転院時にも患者移送の介助が必要になります。
患者の病状によって、また施設によって、介護職員や看護助手が実施することも多いです。
看護師の仕事内容⑦ 体位変換
体の向きや体勢を変えることを体位変換といいます。
医師の指示により活動が制限されている患者や、自分で体を動かすことのできない患者の体位変換を行います。
体位変換は、同一体位による関節拘縮や変形の防止、褥瘡(床ずれ)の予防、苦痛の軽減にもつながります。
看護師の仕事内容⑧ 健康管理や療養生活相談, 指導, 心のケア
職場や病態によって相談や指導の内容は変わってきますが、病気の予防や健康維持のための知識や病状の悪化を防ぐための食事、運動の管理方法の指導なども行います。
患者だけでなく家族への指導や、精神面でのケアも大事になってきます。
看護師の仕事内容⑨ 手術, 検査の介助
手術室では、手術の環境整備や器材の準備、執刀医への器具の手渡し、麻酔時の介助、手術の記録などを行います。
手術室だけでなく、病棟で行われる各種カテーテル挿入や検査時などの必要物品の準備、担当医への直接介助(物品渡しなど)、患者の状態観察、検査の記録などの検査の介助も行います。
看護師の仕事内容⑩ カルテ記載(記録)
担当患者の記録をカルテに記載します。
カルテ記載は、記録を残す義務があるのと、何か問題があった時の証拠ともなってくれます。
カルテ記載により、看護師同士や他職種との情報共有をスムーズに行うことができます。
電子カルテを導入している職場が増えていますが、紙カルテで運用されているところもあります。
関連記事:看護師の仕事に【パソコンスキル】は必要?苦手な人におすすめの勉強は。
看護師の仕事内容⑪ 巡回(夜間)
日中も担当患者のもとへ訪問していますが、夜勤(消灯後)では懐中電灯を持って基本的には約2時間おきに病棟を巡回します。
患者の入眠状況や容態、点滴などの確認を行います。
関連記事:看護師の【夜勤での役割】ってなに?職場と部署ごとに経験者が解説する。
看護師の仕事内容⑫ ナースコール対応
ナースコールと呼ばれているボタンを患者が押すと音が鳴ります。ナースコールが鳴ったら、看護師は昼夜問わず患者のもとへ訪問します。
症状の訴えや何か用事がある患者だけでなく、認知症のある患者が押すことも多々あります。
認知症などにより危険行動の恐れのある患者には、押すタイプのナースコールだけでなく敷きマットタイプや動くことで鳴るクリップタイプのものなどナースコールの種類は他にもあります。
看護室(ナースステーション)にあるナースコール機器だけでなく、職場用の携帯電話でもナースコールを押した患者を知ることができます。
看護師の仕事内容⑬ ミーティング, 各種カンファレンス
看護師同士で集まってミーティングを行い、患者の情報共有や話し合いをします。
看護師だけでなく医師や薬剤師、管理栄養士、理学療法士などの他職種の医療チームで患者の情報共有や治療方針の確認などのカンファレンスを行います。
看護師の仕事内容⑭ 患者の家族への対応
患者だけでなく家族のケアも行います。
退院後家族が心配なことや疑問のあることの相談にのったり、必要であれば他職種へのアプローチなどを行います。
終末期の患者を持つ家族の精神面でのケアも重要です。
看護師の仕事内容⑮ ベッドメイキング
ベッドメイキングとは、患者のベッドシーツや布団カバーなどの交換やベッドやテーブルなどの消毒清掃です。
大きな病院では、委託業者によりベッドメイキングが行われていたりします。
中小規模の病院や施設では看護師、介護福祉士、看護助手などが行っています。
大きな病院でも入退院時や転室転入時などは看護師や看護助手が行います。
まとめ
看護師は他の医療職種と比べ、患者と接する時間が長いです。
患者の状態の変化にいち早く気づくことができる反面、責任の重い仕事でもありますね。
看護師は実際にどんな仕事をしているのか、少しでも参考になれば嬉しいです。
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