看護師の仕事

看護師の【夜勤での役割】ってなに?職場と部署ごとに経験者が解説する。

 

 

新人看護師
新人看護師
「もうすぐ初めての夜勤が始まるー、不安だなぁ。
看護師の夜勤での役割って一体なに?」

 

こんな疑問にお答えしたいと思います。

 

この記事の内容
  • 看護師の夜勤での役割(病院, 老人ホーム, 介護施設)

 

10年以上の看護師歴を持つ筆者は、夜勤での勤務もたくさん経験してきました。

 

夜勤における看護師の役割について、実際にいくつかの職場で働いてきた経験をもとに解説したいと思います。

 

【病棟看護師の役割】7つを経験者が解説します。初めての病院勤務、病棟での看護師の役割って何?病院の病棟で働きたいけど病棟看護師の役割って何?看護師の職場として最も一般的な病院の病棟で働く看護師。新人看護師や病院の病棟で働くのが初めてという看護師向けに、病棟看護師の役割についてを病棟で約10年働いた経験を持つ現役看護師が解説します。...

看護師の夜勤での役割

 

 

看護師で夜勤勤務が必要になる職場は、主に病院、老人ホームや介護施設です。

 

夜勤は2交代または3交代オンコールなど働き方には違いがあり業務内容も異なります。

職場によっても看護師の夜勤での役割は変わってきます。

 

そこで、夜勤での看護師の役割を下記に分けて解説します。

 

看護師の夜勤での役割

  1. 病院で働く看護師の夜勤での役割
  2. 老人ホームや介護施設で働く看護師の夜勤での役割

 

上記①②の、看護師の夜勤での基本的な役割について解説します。

 

 

病院で働く看護師の夜勤での役割

 

病院で働く看護師の夜勤での役割

 

病院に入院中の患者を24時間体制でサポートするために、看護師は交代で看護にあたっています。

 

勤務体制は、病院によって2交代と3交代の職場があります。

2交代制では夕方から翌日の朝まで3交代制では夕方から深夜まで深夜から朝まで、といった働き方に分かれています。

部署によってはオンコール待機もあります。

 

病院の中でも部署によって看護師の役割は異なるので、病院内で夜勤が必要な部署の4つに分けて説明したいと思います。

 

病院で働く看護師の夜勤での役割

  1. 病棟看護師の夜勤での役割
  2. 手術室看護師の夜勤での役割
  3. 救急室看護師の夜勤での役割
  4. 集中治療室看護師の夜勤での役割

 

上記①〜④について、順番に説明していきます。

 

 

1. 病棟看護師の夜勤での役割

 

病棟勤務の看護師の夜勤での役割は下記です。

 

病棟看護師の夜勤での役割

  1. 患者の生存確認
  2. 患者の医療的ケア
  3. 患者の日常生活ケア
  4. 患者の精神的ケア
  5. 患者の睡眠の確保

 

病棟における看護師の夜勤での役割を上記の順番に説明します。

 

夜勤だけではなく病棟看護師の役割については、【病棟看護師の役割】7つを経験者が解説します。の記事を参照してください。

 

病棟看護師の夜勤での役割① 患者の生存確認

 

まず看護師の一番大事な役割として、当たり前ともいうべきことなのですが患者の生存確認をすることです。

 

残念ながら夜間に患者が亡くなってしまう、ということがあります。

患者は何らかの疾患で入院しており急な状態変化は起こりうることです。

 

また、病院から脱走してしまう患者もいます。

患者の所在と生存を明らかにしておかなければなりません。

 

夜間、基本的には2時間おきに巡回をして患者が呼吸をしているか、不在者はいないかを確認します。

2時間おきとは言わず、個別に頻回の訪室が必要なことも多々あります。

 

病棟看護師の夜勤での役割② 患者の医療的ケア

 

夜間も医療的ケアが必要な患者へ継続的に治療が行われるよう、点滴管理や服薬管理、吸引、心電図モニター管理、各カテーテルの管理、経管/経腸栄養投与などを行います。

 

バイタルサイン測定の数値から異常の有無の確認や病状変化の有無を確認します。

必要時医師へ報告し、医師の診察や検査、治療の補助に当たります。

 

夜間は少数の看護師(多くは2人〜3人)のみで働いており、患者の急な容態変化時の対応と判断が重要となります。

 

病棟看護師の夜勤での役割③ 患者の日常生活ケア

 

日常生活における活動を自己にて行うのが困難、または医師による安静指示から制限されている方のケアを行います。

 

夜勤帯は勤務時間にもよりますが、夕食前後や就寝前、朝食前後の洗面・食事・排泄・移送などの生活動作を必要に応じて介助します。

夜間就寝後でも褥瘡予防の観点などから、自分で体を動かせない患者の体位変換やオムツ交換などのケアを行います。

排泄時の尿瓶や便器の介助、トイレの見守りや付き添い・移動介助などのケアも行います。

 

病棟看護師の夜勤での役割④ 患者の精神的ケア

 

夜間帯に不安が強くなる患者もいるため、話を傾聴したり寄り添います

 

精神疾患を持つ患者や入院や治療などによるせん妄などから行動が落ち着かなくなる患者もいるため、危険患者の転倒や転落の防止・危険行動の防止に努めるのも大切なことです。

ナースコール対応やナースコールセンサー(自己にてナースコールを押せない患者の行動を感知する装置)の対応をします。

 

病棟看護師の夜勤での役割⑤ 患者の睡眠の確保

 

患者が夜間よく眠れるように環境を整えます

 

病院という、自宅とは違う環境でよく眠れない患者も多いです。

夜間不穏になる患者もいます。

 

夜間良眠できるよう、医師の指示に従った睡眠薬や不穏時薬の投与を行います。

 

できる業務はなるべく消灯前に行い病室への訪室回数を減らしたり、介助が必要な同室患者のケアを終わらせるようにします。

 

夜間の同室患者の睡眠状況によっては、不穏患者などの部屋やベッドの移動を行いなるべく患者の良質な睡眠の質を確保できるように努めます。

翌朝他の看護師や師長へ報告し、部屋移動を検討したりもします。

 

2. 手術室看護師の夜勤での役割

 

基本的に予定されている手術は日勤帯ですが、長時間に及ぶ手術などは日勤から引き継ぎます。

夜間オンコール待機で手術の連絡が来たら勤務となります。

入院患者が急変した時や救急車で運ばれてきた患者に緊急手術が必要となった場合に対応します。

 

役割としては昼夜問わず同じで、手術室での医師のサポートや患者の看護、集中治療室や病棟への申し送りなどです。

 

3. 救急室看護師の夜勤での役割

 

救急室の夜勤での役割は、日中と同様です。

 

夜間の救急外来患者や救急車で運ばれてきた患者への看護となります。

採血や点滴ルート確保・管理、医師の診療・処置の介助などです。

 

日中に比べて夜間の勤務者は少ないため、看護師一人一人の迅速な対応や判断がより必要とされます。

 

4. 集中治療室看護師の夜勤での役割

 

集中治療室勤務の看護師の夜勤での役割は下記です。

 

集中治療室看護師の夜勤での役割

  1. 患者の医療的ケア
  2. 患者の日常生活ケア
  3. 患者の精神的ケア
  4. 患者の睡眠の確保

 

上記①〜④について順番に説明します。

 

集中治療室看護師の夜勤での役割① 患者の医療的ケア

 

夜間も患者へ継続的な治療が行われるよう、人工呼吸器管理、心電図モニター管理、点滴や服薬の管理、吸引、採血、各カテーテルの管理、経管/経腸栄養投与などを行います。

 

1フロア内に全ての患者がおり看護室も近い位置にあるため、人工呼吸器などの機器類のアラーム音や心電図モニター音を常時確認できる状態にあります。

 

バイタルサイン測定の数値や採血結果から異常の有無の確認や病状変化の有無を確認し、医師の指示に従い輸液ポンプ管理下の点滴の滴下量などを変更します。

必要時医師へ報告し、医師の診察や検査、治療の補助をします。

 

夜間は少数の看護師(多くは3人〜4人)のみで働いており、急変時の対応と判断が重要となります。

 

集中治療室看護師の夜勤での役割② 患者の日常生活ケア

 

集中治療室に入院中の多くの患者は自分で体を動かすのが困難であったり、医師による安静指示から活動が制限されている患者も多いです。

 

洗面・食事・排泄などの生活動作を必要に応じて介助します。

夜間も自分で体を動かせない患者の体位変換やオムツ交換などのケアを行います。

 

集中治療室看護師の夜勤での役割③ 患者の精神的ケア

 

ナースコールやナースコールセンサー(自己にてナースコールを押せない患者の行動を感知する装置)対応などにて危険患者の転倒転落の防止に努めながら、寄り添います

 

中には人工呼吸器を外してしまったり輸液ルートやカテーテル類を抜いてしまう場合もあるため不穏など必要時、医師の指示に合わせた薬剤投与を行います。

 

集中治療室看護師の夜勤での役割④ 患者の睡眠の確保

 

患者が夜間よく眠れるよう、ベッド周囲の環境や体位を整えます

必要時には医師の指示に従った睡眠薬の投与を行います。

 

老人ホームや介護施設で働く看護師の夜勤での役割

 

老人ホームや介護施設で働く看護師の夜勤での役割

 

老人ホームや介護施設では、2交代またはオンコール待機夜勤なしなど施設によって看護師の勤務体制は様々です。

 

医学的管理を目的とした病院と違って、老人ホームや介護施設は利用者にとって生活の場です。

そのため、夜間帯の医師の常駐がなく緊急時には電話による医師への報告・対応となります。

 

老人ホームや介護施設では、巡回による生存確認や不在者がいないかの確認、転倒転落の防止、褥瘡予防のための体位変換、日常生活ケアなどにおいては主に介護職の方が行ってくれます。

介護職が多忙な際は手伝いますが、看護師は医療的な管理を中心に行います。

 

老人ホームや介護施設での2交代時の夜勤における役割は下記です。

 

老人ホームや介護施設看護師の夜勤での役割

  1. 入居者の医療的ケア
  2. 入居者の日常生活ケア
  3. 入居者の睡眠の確保

 

上記①〜③について順番に説明します。

 

老人ホームや介護施設看護師の夜勤での役割①
入居者の医療的ケア

 

主に服薬管理、点眼や軟膏類の介助を行います。吸引、各カテーテルの管理、経管/経腸栄養投与なども行います。

 

バイタルサイン測定の数値から異常の有無の確認や病状変化の有無を確認します。

必要時には医師へ電話報告し、医師の指示に従います

 

夜間は看護師1人での勤務が多いため、急変時の対応と判断が重要となります。

 

老人ホームや介護施設看護師の夜勤での役割②
入居者の日常生活ケア

 

日常生活におけるケアは、主に介護職の方が行ってくれます。

介護職の夜勤者も少数のため、忙しい時には協力して行います。

 

職場によって看護師による日常生活ケアへの介入度は違います。

体位変換とおむつ交換、排泄の介助が主です。

 

老人ホームや介護施設看護師の夜勤での役割③
入居者の睡眠の確保

 

入居者が夜間よく眠れるよう環境を整えます

しっかり睡眠を摂るということは全ての人にとって大切なことです。

 

医師の指示に従った睡眠薬の配薬を行います。

 

 

まとめ

 

夜の病院

 

どの職場でも、夜間の特記事項をカルテ記載し他看護師や他職種へ夜間の様子を情報共有することも看護師の夜勤での役割の一つです。

 

患者の生命や健康を守るために看護師が24時間体制で交代勤務をすることは大切です。

一方で、看護師にとっては夜勤勤務により不規則な生活となってしまいます。

 

看護師自らの健康を維持できてこその看護となるため、看護師自身の体調を第一に管理できるようにしたいですね。

少しでも参考になれば嬉しいです。

 

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