「潜在看護師って何してるの?」
「潜在看護師が復職しない理由はなに?」
こんな疑問にお答えしたいと思います。
この記事の内容
- 潜在看護師とはどんな人のことを指すのか
- 潜在看護師の人数
- 潜在看護師になる理由
- 潜在看護師たちは何してるのか
- 潜在看護師が復職しない理由
新型コロナウイルス感染拡大後によく耳にするようになった、潜在看護師の存在。
看護師歴10年以上の筆者も、潜在看護師として潜伏していた時期を持つ看護師の一人です。
潜在看護師となっている多くの看護師たちは何をしているのか、潜在看護師が復職しない理由などを、潜在看護師として生息していた現役看護師が解説します。
【潜在看護師】何してる?復職しない理由とは。
新型コロナウイルス感染拡大後、深刻となっている看護師不足の問題。
そこで注目されているのが潜在看護師の存在です。
「潜在看護師」という言葉を聞いたことはありますか?
年々増加していると言われている潜在看護師について下記にまとめました。
潜在看護師について
- 潜在看護師とは
- 潜在看護師の人数
- 潜在看護師になる理由
- 潜在看護師たちは何してる?
- 潜在看護師が復職しない理由
- 潜在看護師から復職したい人は
上記①〜⑥について、順番に解説していきたいと思います。
潜在看護師とは
潜在看護師とは、看護師の免許を持っていながらも看護の仕事をしていない看護師のことです。
看護師の資格が必要な、専門知識や技術を活かして働く職場(病院やクリニック・診療所、介護施設、障害者施設、訪問看護、企業の医務室など)で現在働いていない看護師のことを、「潜在看護師」といいます。
潜在看護師の人数
潜在看護師の人数は、厚生労働省の調査によると全国に約71万人いるというデータが出ています。
毎年看護師免許を取得する人がいて看護師の人数は増加しているのと同時に、離職する人もいます。
日本看護協会の資料によると看護師の就業者数は年々増加してはいますが、復職せずにいる潜在看護師も多いようです。
新型コロナウイルスの感染拡大によるものだけでなく、少子高齢化により今後も労働市場における看護師の需要は高まると予測され、潜在看護師の存在に注目せざるおえない状況となっているようです。
潜在看護師になる理由、潜在看護師が多い理由
ではなぜ、看護師免許を持ちながらも看護職として働いていない、潜在看護師といわれる人たちが多いのでしょうか。
潜在看護師になる理由は、何らかの理由で離職したまま再就職をしていない、もしくは看護師資格取得後に看護師として働いていない状況にある、ということになりますね。
看護師の資格を持つ人たちが潜在看護師になる理由、潜在看護師が多い理由についてそれぞれまとめました。
潜在看護師になる理由
潜在看護師になる理由を、看護師が離職する理由から考えます。
看護師が離職する理由は下記です。
看護師が離職する理由
- 結婚、出産や育児、家族の介護などによるライフスタイルの変化(労働時間や夜勤、休暇などへの対応困難)
- 職場環境への不満(超過勤務、給与、労働条件など)
- 精神的苦痛(人間関係、責任が重い、医療事故への不安など)
- 体力や健康上の問題(夜勤などシフトへの対応困難、長時間勤務や時間外労働)
- 看護師に向いていないと思ったり、他にやりたい仕事がある
上記理由の、1つだけではないかもしれない様々な理由が合わさって離職に至ります。
一度臨床現場を離れてしまうと、復職への不安は大きくなり再就職が難しいと思ってしまい、離職したままとなってしまう潜在看護師も多くいます。
医療は日々進歩しており、ブランクがあることで知識や看護技術への不安を抱き、復職することに対して不安を持つのは当たり前のことと言えそうです。
看護師の仕事は命に関わることからも大きな責任を伴います。
その重圧に耐えられるか、再びそのような環境の中で働きたいと思えるか、などを考えると臨床現場に復帰したくないと思ってしまう人たちが多いのが現実です。
関連記事:看護師【ブランクあり】が復職するための準備。不安を取り除こう!
潜在看護師が多い理由
潜在看護師が多い理由は、看護師が離職した理由によって変わってきます。
看護師が離職した理由に沿って、潜在看護師のままとなっている理由を説明していきます。
結婚、出産や育児、家族の介護などによるライフスタイルの変化による離職(労働時間や夜勤、休暇などへの対応困難)
看護師の多くは結婚や出産などを理由に退職し、また同じ病院に戻るということが少なかったり、復帰した後に育児との両立が大変なために辞めていく看護師も多いです。
子供を育てながら独身時代のように総合病院などで夜勤のある勤務で働くことや超過勤務をすること、休みが取りづらいことなど時間的制約に対して特に難しいと思っている方が多いようです。
家族の介護で離職した人たちも同様に、シフトの勤務時間に合わせて通勤したり、家を長く空けていられないなどの理由から看護師の仕事との両立は困難だと思うようになります。
一度家庭に入ってしまうと、復帰したくないと思い潜在看護師のままとなってしまいます。
職場環境への不満(超過勤務、給与、労働条件など)
超過勤務が続き忙しさに疲弊してしまったり、時間外での係や委員会、看護研究などにより拘束される時間が長かったりと職場環境への不満を持って退職する人もいます。
退職後に看護師として他の職場へ転職する人もいますが、看護師を辞めて他の職業に就く人もいるので潜在看護師となってしまいます。
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精神的苦痛(人間関係、責任が重い、医療事故への不安など)
退職理由が人間関係という人は多いです。
男性看護師は増えていますが、まだまだ女性の多い職場で人間関係が複雑な職場は多いです。
人間関係が嫌で他の職場へ看護師として転職しても、看護師として働くならどこも同じような環境になるのではないか、また人間関係を築くのが面倒、などと思い他の職業に転職する人もいます。
看護師の仕事に対して責任が重い、医療事故などへの不安が強いと思って離職した人たちは、長い休暇を取ったり他の職業に就いている人が多いです。
関連記事:【のんびり働きたい看護師】におすすめの楽な職場や働き方とは!
体力や健康上の問題(夜勤などシフトへの対応困難、長時間勤務や時間外労働)
看護師の仕事は緊張感を持って働くことや体力が必要です。
夜勤勤務をすることで生活リズムが崩れやすくなり、体調を崩す人もいます。
毎日決まった時間から働き、決まった時間に終業するような職場でない場合は、体調管理が大事になってきます。
規則正しい生活ができない上に交代制による長時間勤務や時間外労働が多い職場では体調を崩しやすく、健康上の問題から離職してまた看護師として働きたいと思う人は少ないかもしれません。
自分の健康を第一に考えると、潜在看護師になってしまう人もいます。
他にやりたい仕事がある
看護師の他にやりたいことが見つかって離職する人もいます。
そもそも看護師の他にやりたいことがあって離職した人たちは、他の職業に就いてしまうので潜在看護師となってしまいます。
関連記事:【看護師の副業】資格とスキルを活かしたおすすめのダブルワーク!
関連記事:看護師のあなたに向いている副業とは?あえて【看護師以外の副業】をオススメしたい人。
潜在看護師たちは何してる?
では、現場で働いていない潜在看護師たちはいったい何をしているのでしょうか。
潜在看護師たちの生活とは
離職理由によって、潜在看護師たちはどんな生活をしているのかまとめました。
結婚や出産・育児が理由で離職した潜在看護師
結婚や出産・育児が理由で離職している潜在看護師たちは、そのまま家庭に入ったり子育てに専念して職場復帰しないことが多いです。
子育てをしながら独身時代のように看護師をすることは難しいと思っており、子育てが落ち着いたら看護師として復帰することを考えるという人たちは多いようです。
中には、本当は職場環境への不満や人間関係などの苦痛が理由で辞めたかったけれど、出産や育児を理由に退職してそのまま復帰しないという潜在看護師もいます。
親の介護などが理由で離職した潜在看護師
親の介護などが理由で離職した人は、介護に専念せざる終えない場合が多いです。
介護が落ち着いたら復帰することを考えている人もいます。
しかし、介護が落ち着いた頃には40代や50代となり、ブランクを乗り越えて復職するには不安が強く、復職は難しいと思う人は多いようです。
関連記事:看護師【ブランクあり】が復職するための準備。不安を取り除こう!
職場環境への不満や精神的苦痛、体力や健康上の問題、他にやりたい仕事があることを理由に離職した潜在看護師
職場環境への不満や精神的苦痛、体力や健康上の問題、他にやりたい仕事があるから潜在看護師となった人たちは、看護師ではない他の仕事に就いていることが多いです。
看護師の資格を持ったまま、看護師として生きることを止めて新たな道を歩んでいます。
一般企業に務めていたり起業していたり、歩んでいる道はそれぞれです。
これらの理由で離職した人たちは、看護師よりも違う職業の方が自分に合っていると思っている人は多く、看護師の道へ戻るといった選択肢を持たない人が多いと思われます。
看護師の仕事が恋しい潜在看護師もいる
一方で、他の職業に就いてから看護師の仕事が恋しくなる人もいるようです。
他の仕事についてはみたものの、思っていたのと違った、看護師の方が給与が高いしやりがいがあった、などという理由で看護師の仕事が恋しくなる潜在看護師もいます。
ただ、人間関係が理由で辞めた看護師の中には、看護師の仕事自体は好きだけれど、とはいえゴチャゴチャした人間関係の職場でまた働くのはゴメンだ、という人が多くいます。
潜在看護師が復職しない理由
潜在看護師の中には、看護師の仕事へ復帰したくないという人たちの他に、看護師の仕事へ復帰したいけれど復職しない人たちも存在します。
看護師の仕事へ復帰したいけれど、潜在看護師となったまま復職しない理由はなんでしょうか。
看護師の仕事へ復帰することに対して、どう考えているのでしょうか。
看護師の仕事へ復帰したいけれど復職しない理由とは
看護師の仕事へ復帰したいのに復職に至らない理由は、復職することに対するさまざまな不安を抱えていることが原因である場合が多いです。
離職理由に分けて、潜在看護師が復職しない理由を説明します。
結婚や出産・育児が理由で離職した潜在看護師
結婚や出産・育児が理由で離職した潜在看護師たちは、家事や育児と仕事のバランスを保つのが難しいと考え、家事や育児に専念しています。
子育てとの両立が必要な看護師は、職場の受け入れ環境によって働きづらいと感じるため不安があるようです。
上司の子育てへの理解度によって、働きやすさが変わってくるところが大きいです。
家事や育児と仕事を両立していくということが想像以上に大変だと思うと、なかなか復職に踏み切れないようです。
特に子供が小さい頃は、子供を預ける場所が見つからない、夜勤ができない、超過勤務ができない、子供の発熱などで急な休みが取りづらいなどが理由で、復帰できる場所はあれど復職に至れない人は多いです。
休みを取れたとしても、同僚に気をつかって働いていかなければならないのが嫌という人も多いですね。
託児所や保育園、幼稚園、学童保育などが見つからなかったり、派遣などで勤務日数を減らして復帰したいけれど勤務日数が減ることで保育園などに子供を預けられなくなるという問題もあります。
看護師の仕事へ復帰したいという気持ちはあるが、今は家事や育児に専念した方がいいという考えから復職しないケースもあります。
職場環境への不満や精神的苦痛が理由で離職した潜在看護師
職場環境への不満や精神的苦痛が理由で離職した人たちは、看護師の仕事へは復帰したいが転職してもまた同じような環境になる可能性や人間関係がめんどくさい、との思いから復職せずに止まっています。
ゆっくり休養をとってから、働くことを考えるという人たちです。
看護師の仕事へは復帰したいという気持ちはあるが、責任が重く、医療事故が怖いと思う人も潜在看護師となったまま復職には至らないケースがあります。
ブランクが長くなるにつれ、医療技術の進歩についていけるか不安、業務を覚えることや電子カルテの操作への不安、体力面への不安があって、なかなか復職に至れないという人たちもいます。
関連記事:看護師の仕事に【パソコンスキル】は必要?苦手な人におすすめの勉強は。
ライフスタイルに合わせて働き方を変えてみても、勤務日数を減らした勤務や時短勤務で働くと肩身が狭くなる傾向もあり、そういった環境に耐えられない人たちは潜在看護師のままとなってしまいます。
体力や健康上の問題が理由で離職した潜在看護師
健康上の問題が理由で離職した人たちは、休養しているか体力をあまり必要としない仕事に就いています。
体力や健康上の問題がある人は、看護師の仕事へは復帰したい思いがあっても、夜勤やシフト体制に対応できない、整った生活リズムで働いた方が体のためにいいと思っています。
夜勤のない、超過勤務のない看護師の職場はありますが、体調不良のときに急な休みや早退をとれるかというと難しい場合も考えられ、周囲に気を使わなければいけなくなるため復職に至らずにいます。
関連記事:【のんびり働きたい看護師】におすすめの楽な職場や働き方とは!
潜在看護師から復職したい人は
潜在看護師になる理由はさまざまですが、潜在看護師の多くは看護師として復帰することを一度は考えます。
看護師に復帰したくないという潜在看護師でも、せっかく手にした看護師の国家資格を活かして働かなくていいのか、他の道へ方向転換するという決断に至るまでには相当悩みます。
一度潜在看護師となってからもまた看護師として働きたい、復職したいとの考えに至った人は、ブランクに対する不安を抱えます。
看護師の仕事に復職したい人にとって、医療技術の進歩についていけるか、採血や注射などの看護技術への不安などが障害となります。
ブランクを克服して看護師としてまた働きたいという強い思いがないと、さまざまな不安から復帰に向けた準備に取り組めず潜在看護師のままブランクの年数だけが蓄積されてしまいます。
参考記事:看護師【ブランクあり】が復職するための準備。不安を取り除こう!
参考記事:ブランクあり看護師の再就職におすすめの転職先と働き方!
復職したい潜在看護師たちは、復帰に向けて研修を必要としている人は多いです。
潜在看護師から復職したい人で、復帰に対する不安の強い人は研修に参加して自信をつけたり同じ境遇の人と話をしたりして不安を軽減してから復職するのはオススメです。
少しでも復職に興味のある人は、看護協会や住んでいる地域のナースセンターなどのホームページをチェックしてみるといいと思います。講習や研修などの情報が得られます。
職場によっては既卒看護師であっても、その職場の新規入職者として研修を行っているところもあります。
研修制度のある職場なのかを、転職活動のときに聞いてみるといいでしょう。
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ブランクのある潜在看護師には、ブランクに対して好意的で理解のある職場を選ぶのが安心です。
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まとめ
潜在看護師は看護の現場から離れて何をしているのか、潜在看護師が復職しない理由などについてまとめました。
潜在看護師となった理由はさまざまで、看護師として復職するか悩んでいる潜在看護師はたくさんいます。
現在は復帰できる状況にある人でも、「復帰したくない」と思う看護師もいます。
進みたい別の道がある人は、やりたいことをとことんやりましょう。看護師の資格は逃げません。
看護師として復帰したいという人は、ブランクを恐れずに復職への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
少しでも参考になれば嬉しいです。
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